第16章 リング争奪戦
武「・・・鷹宮・・。」
困惑の色を隠せないまま、山本は麗を見る。
麗「・・・私は大丈b・・。」
突然、嫌悪感に見舞われて麗は口を手で押さえる。
麗「ゲホッ・・・!」
麗の口から、たくさんの紅が流れだす。
了平「!鷹宮!?」
麗はガクンッと座り込み、咳き込む。
咳き込むたびに紅が床に広がっていく。
マーモン「ムムッ・・・おかしい。僕達に盛られた毒は、吐血なんてするはずがない。」
ベル「姫!!!」
ヒュー・・・ヒュー・・・と息をする麗。
誰がどう見ても異常だ。
隼人「おい、鷹宮!!!?しっかりしろ!!」
慌てて獄寺が麗に近寄る。
しかし、獄寺の足元にナイフが投げられた。
ベル「姫!!」
ベルフェゴールは麗に駆け寄ると霧のリングを麗にはめた。
マーモン「ベル!」
ベル「いいだろマーモン!じゃなきゃ、姫本当に死んじゃう!!」
ベルは麗を抱えるとマーモンの方へ戻って行き、クロームにもリングをはめた。
マーモン「ムムムッ・・・麗、意識はあるかぃ?」
小さな手でぺちぺちと麗を叩くマーモン。
麗は虚ろ気にマーモンと目を合わせる。
マーモン「いいかぃ。今気を失えば君は死の境を迷うだろうから、必死に意識を浮上させるんだよ。分かったかぃ?」
ベル「マーモン!ボスんとこ行こうぜ!!」
マーモン「あぁ、そうだね。」
マーモンは幻覚を解いてクロームを床に降ろす。
マーモン「他のリングも貰ったことだし、早く行こう。」
いつの間にかマーモンの手元には晴、雨、嵐、雷、雲のリングがあった。
武「!」
ベル「姫、もうちょい待って。そしたら、解毒出来るから・・・!!」
あぁ、どうして私は、いつもこうなるのだろう。