第16章 リング争奪戦
ふっ・・・と意識が浮上して、目を覚ますと、見慣れぬ白い天井。
首だけ傾けると、椅子に座って眠っている雲雀が見えた。
反対側を見ると、自身に点滴の管が刺さっているのが見えて、ようやく自分が病院にいるのだと理解できた。
麗「・・・恭弥のおかげ、かな・・。」
熱っぽさは自分では感じず、眠る前よりも随分と身体が軽い。頭痛もない。
むくりと起き上がり、麗はそっとベッドの端に置いてあった掛布団を雲雀にかける。
そのままポスリとベッドに戻り、ケータイを触る。
麗「・・・今日の夜に、最終対決、だったよね・・。」
麗の呟きは、空気に溶けて消えた。