ヒーローはどうしても私を可愛たがるようで。*ヘタリア*
第2章 宿泊行事(仮)にて
放心状態から立ち直れないまま夜になった。
肝試しがあるらしく、みんなは外に出ていた。
けど、私は部屋の中で携帯を握りしめて、布団にこもっている。
肝試しなんて興味ない。
一緒に回りたい人なんて一人しかいない。
その一人ももうとられてしまったと思う。
藍架「……アルフレッド君…。」
私は入学してからずっとアルフレッド君ばかり気に止まっていた。
はじめは好きとかそんなんじゃなかった。
でも、初めて話した日。
気付かなかったけど、あの日からきっと好きになってしまったんだ。
メールのやり取りだけでドキドキしたり、頭をなでられただけでいい気になって、馬鹿みたい。
私の手に届くはずない人を好きになっちゃったんだ。
そんなことを考えるだけで胸が苦しくてたまらない。
ピロピロリ~♪
藍架「…‼」
アルフレッド君からだった。
米《肝試しにこないのかい?》
藍架《うん。まわる人いないし…。そういう系苦手だし…》
米《俺と行かないかい?》
藍架「えっ…?」《舞季ちゃんとまわるんじゃないの…?》
米《誘われたけど断ったぞ、なんでだい?》
断っ…た…?
そして私を誘ってくれたの…?
藍架《今すぐ行く‼待ってて‼》
一気に笑顔になった。
笑顔っていうより、にやけてたかもしれない。
どうしよう、嬉しすぎて壊れそう。