ヒーローはどうしても私を可愛たがるようで。*ヘタリア*
第2章 宿泊行事(仮)にて
藍架「え、ちょ、なんでっ…!?;」
米「なんでって、それは俺の台詞なんだぞ!なんでマシューにメールするのに俺にはしてくれないんだよーっ‼」
半ば泣きべそをかいて話すアルフレッド君を可愛く思いつつ、
一旦二人とも気持ちを落ち着かせるよう同時に深い呼吸を一度し、その後にそれぞれ口を開いた。
藍架「えっと…なんでここに、その…来たの?」
米「なんでって、そりゃマシューからメールの内容聞いて心配して来たんじゃないか!…そんなことは置いといて、なんでマシューなんだよーっ‼」
藍架「…あんまりアルフレッド君に心配かけちゃ駄目かなって…」
米「駄目な訳ないだろ、寧ろ頼ってくれた方が嬉しいんだぞ‼もうこの際ヒーローとか関係無しに普通に君を助けたいんだ!俺は‼」
一気に早口で言い終え、ぜいぜい…と肩を上下させて息をしている。
必死さは十分伝わってくる。
その勢いに圧倒されかけた私は一度頭を縦に振ることしかできなかった。
だけど、案の定アルフレッド君からの言葉は私の胸をきゅん、とさせる。
一々起こるこの感覚がめんどくさいような、嬉しいような、微妙な感覚にまた私は軽くうろたえそうになった。
藍架「えっと…その、ありがと…。」
アルフレッド君に対する感謝の気持ちはこの一言じゃ言い終えられないんだけどね。
米「ん、どういたしまして!
って、そういや鞄…なくなったんだろ?どこに落としたんだー?」
無くなったのは確かだけど、落とした、ってことはまずあり得ないかな。うん。
藍架「多分…なんだけど、」
米「?」
藍架「…いや、なんでもない」
舞季ちゃんが持ってったと思う、なんて根拠のないことは言わないでおこう。