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優しいキスをして【裏夢】

第2章 優しいキスをして〈2〉



「遠坂さんこそ何で此処におるん?今日は休みやろ。こんな朝はやくから出かけるんか?」

「……青木くんには関係ないでしょ」



青木くんの笑顔を見てものすごく気分が悪い。スマホを操作する指さえ上手く動かない。



「……あ……あった」



サイト名は覚えていたからそこからログインする。やっぱり思った通りだわ。

一度退会しても、メアドとパスさえ入力すれば復帰出来る。



「ん?……パスワードがはいらない……」


え?
なんで?!

私パスワードなんか変更してないのに!!
なんで?


「……どうして?」

「パスはオレが変えた」

「え?……なんで?」

「なんでって……当たり前やん」

「当たり前って?」

「遠坂さんにサイトで男漁りなんかしてもらいたくない」


さっきまでの笑顔は消えて真面目な顔で私を見つめてくる。

意味がわかんない。なんで?!どうして?!


急にイライラとしてきてしまう。どうしてなんだろう。私は青木くんといるとイライラしてしまう。

自分の感情を押し殺せなくなる。


なるべく感情的にならないように小さく深呼吸。



「……私にとっては必要なものなの」

「なんで?」

「あそこなら私を必要としてくれる人がいるから」

「オレは?」

「え……?」

「オレは遠坂さんに必要とされてないんか?」

「青木くんには私は必要ないでしょ」


そう言い放って視線を下に向けると───




青木くんが手をぎゅっと握りしめているのが見えた。





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