第2章 優しいキスをして〈2〉
「さて……どうしようかな……」
公園のベンチに座り今日1日の過ごし方に悩んでしまう。
いつもだったらサイトで適当に男を見繕って暇つぶしをするんだけど……
サイトは青木くんのせいで退会されちゃってるし
「あ……!もしかしたら……」
復帰出来るかもしれない。
期待を胸にスマホの電源を入れると
「……げぇっ……なにこれ?」
通知バーには物凄い数のLINEの通知。中を確認する気にもなれずにそのまま消した。
「……青木くんって……よっぽどヒマ人なのかな?」
「そんな事あらへんで」
「?!」
突然、後ろから声をかけられて心臓が跳ね上がったわ。恐る恐る後ろを振り返ると
「おはようさん」
……爽やかな笑みがとても似合っていてイラついてしまう。
「なんで此処にいるの?」
「オレん家近くやねん」
そういえば青木くんとはこの公園で会ったんだった。と、いう事は私の家とも近いって事か……
「散歩してたら遠坂さんが見えて嬉しくてな」
まるで人懐っこいワンコみたいに笑う。しかもあざとく見えないなんて……
青木くんが人気があるのもわかるような気がする。
私には出来ない笑顔───
羨ましくもあり、妬ましい。