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リケ夫くんとビチ子さん

第4章 出会い②


リケ夫の第一印象は、ぶっちゃけ「理系らしからぬ大胆な人」だった。
「今でこそ、むしろ慎重で堅実な、研究者らしい真面目な人と思ってるけど。」
プロジェクトの新メンバー歓迎パーティーの時だ。
「失礼。どちらの学部の方ですか?」
理系男子どもがあたしを珍獣のように見ている中、妙に紳士ぶった振る舞いで声をかけてきたのがリケ夫だった。

・・・へぇ、理系男子でも女に声をかけられるような人がいたんだ。

「えっと、芸術です。」
「へぇー!芸術!・・・あっ、失礼。僕はリケ夫と申します。理系学部の4年です。」
「ビチ子です。芸術学部2年です。」
「芸術ですかー・・・。いや、女性が来ているなんて珍しくて、つい。」
「いえいえ、お声がけありがとうございます。」

メガネの理系らしい見た目をしているのに、理系らしくない人だなと思った。

「あの、ビチ子さん。よろしければ連絡先を教えてくださいませんか?」
「へっ?」
「あ、嫌ならいいんです。ただ芸術学部の知り合いなんていないので、せっかく出会ったんだしと。すみません。」
「あっ・・・いえいえ、いいんですよー。」

そういう気が無かったとしても、出会って1分で連絡先を聞いてくるだなんて、チャラいと言って差し支えないと思う。
でも、その後こうやって付き合うことになったって考えると、あの日のことは運命的な出会いだったのかもしれない。






そういえばこの後、リケ夫はお友達さんから「お前ナンパかよー!後輩を弄ぶんじゃねーぞぉ!?」って言われてたっけ。

先輩!2年後ビチ子はナンパに引っかかってしまいました!後でリケ夫さんのこと怒っといてください!
実際弄んだのはあたしの方ですけどね!てへっ!
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