第19章 いざ尋常に勝負
あたしはおしゃれが好きだ。
メイクが好きだ。
ヘアアレンジも、アクセサリーも、ヒールも・・・いやヒールは身長もあって高いのは履かないけど。
とにかく、着飾ることが大好きだ。
スタイルはもっぱら女子アナ系。
膝丈フレアスカートに、ゆるめのトップスやシャツを合わせて。
誰にでも好感触、赤文字ファッション万歳!
男ウケするだけで個性が無いって?それの何が悪いの?彼氏作ってから文句言いに来い。
当然デートには気を遣って、いつも以上におしゃれを考える。
今日はちょっといいレストランだからワンピースにしようかな。
今日はピクニックだからスニーカーにしよう。
TPOを考えられて、初めてイイ女になれると思うの。
・・・それはパッと見た格好だけでなく、下着まで。
「そんなわけでリケ夫さん。下着の好みってある?」
「んー?下着?」
「黒のレースとか白の清楚系とかさ。」
「いわゆる勝負下着ってやつかい?」
「そうそう。どんなのが好き?」
スマホゲームをいじっていたリケ夫さんが、いじる対象をスマホから顎に切り替えて考え込んだ。
「そうだねー、まず僕は女性物の下着そのものより中身の方が断然興味をそそられるんですよ。もちろん着飾ったり体型補修したりという努力は素晴らしいことであって一向に構わないと思うのですけれども、やはり下着は所詮下着であって、僕にとっては大事なところを隠す少々邪魔な布でしかないんですよね。しかしこんな僕でもグッときた下着がありまして、それはビチ子さんがこの間お召しになられていた、ベージュのショーツなんですよ。あれはセンターに小さいリボンがちょこんと付いただけでレースも何一つないシンプルなものだったかと記憶しているんですけど、上の白い花柄のブラとのチグハグさも相まって何とも言えない隙だらけの生活感が出ておりましてね。普段見ることのできない禁断の舞台裏を見てしまったような感覚がして、そんなところを見られたビチ子さんの照れ顔も可愛くて、それはもうとてもとてもグッと来たんですよね!」
リケ夫さんが爽やかな笑顔でこちらを振り向く。
「以上より僕はベージュとか生活感に溢れた下着にグッと来るということになるかと思うんだけど、これで質問の答えになったかな?」
「やだこの人ガチすぎて気持ち悪い・・・。」
「えーっ!?どいひー!!!」