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【おそ松さんR18】君がため

第12章 つぶやき【おそ松】




「おーい。いつまで寝てんだよー?さくら」


わたしを夢の世界から引き戻したのは、聞き慣れた声だった。

はっと目を開ける。

目の前に、おそ松くんの顔があった。


おそ松「さくら、だいじょぶ?」


わたしを覗き込むおそ松くんは、珍しく心配そうに眉を垂れていた。

その表情に、とくんと胸が高鳴る。


「おそ松くん……」

おそ松「んー? どっか具合わるい?」

「ううん、大丈夫……」


そうだ。わたし、気絶しちゃってたんだ。

トド松くんと一緒に逃げようとして、

それをおそ松くんに見つかって、

一松くんとカラ松くんに襲われて……


思い出した瞬間、かーっと頬に熱が集まった。


おそ松「……ほんとに大丈夫? なんか顔赤いけど」

「う、うん……大丈夫だよ。それより……ごめんなさい」

おそ松「うん?」

「逃げようとしたこと……」

おそ松「あー、そのこと」


おそ松くんは、思い出したようにパンと手をたたいた。


……あ、あれ?

もしかして、そんなに怒ってないのかな?

昨日はかなり怒ってるように見えたけど。


おそ松「別にいいよ。だって、さくらが逃げようとしても、絶対に逃さないし」

「え……?」


さらりと言うおそ松くんに、ぞわりと小さな悪寒が走った。

と、その瞬間。

おそ松くんの手が、わたしの手首をつかんだ。


「……っ」

おそ松「あ、でもさ、少しでも悪いと思ってんなら、いっこだけお願いがあるんだけど」

「お、お願い……?」


嫌だなんて絶対に言えない。


「な、なあに? わたしにできることなら、なんでも聞くよ」

おそ松「1日、俺とデートして」

「…………え?」


思わず、間抜けな声がもれた。


てっきり、もっと酷いお願いだと思っていた。

具体的にはわからないけど、わたしが嫌がるような、そんなことを要求されると思った。


「デートって……それって、」

おそ松「ほんとにふつーにデートしてくれるだけでいーよ?」


おそ松くんは、八重歯を見せて無邪気に笑った。


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