第50章 ふたりだけの世界《カラ松END》
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カラ松「大丈夫か、さくら?」
「う、うん……大丈夫」
カラ松くんが持ってきてくれたポカリを口にふくみ、はぁー、と天を仰ぐ。
あのあと、お風呂場で何度も絶頂を繰り返したわたしは、すっかりのぼせてしまった。
のぼせて動けないわたしを、カラ松くんは抱きかかえてベッドまで運んでくれた。
カラ松「すまない……無理をさせすぎた」
「そんなことないよ……わたしも、その……カラ松くんとシたかったし」
カラ松「……っ」
わたしの言葉に、カラ松くんは顔を赤くし唇を噛み締めた。
カラ松「……あまり可愛いことを言わないでくれ。また襲ってしまいそうだ」
「もう一回する?」
カラ松「えっ……!?」
カラ松くんの首に腕をまわし、唇を突き出してキスを求める。
と、カラ松くんは、いつになく顔を真っ赤にして目を泳がせた。
カラ松「ど、どうしたんだ、さくら……ずいぶん大胆だな」
「なんかね、こうしてカラ松くんとふたりでいられるの、幸せだなーって思って」
カラ松「え?」
「わたし、ずっとカラ松くんのことが好きだったんだよ。高校生のころから……カラ松くんを追っかけて演劇部に入って……一緒にいられるだけで本当に幸せだった」
カラ松「そ、そうだったのか……?」
「そうだよ。それなのに、こうしてカラ松くんの彼女になれて、ふたりで暮らして、愛しあえて……夢を見てるみたい」
カラ松「……それは俺だって同じだよ」
カラ松くんの大きな腕がわたしを抱きしめた。
とくとくとく、とカラ松くんの鼓動が伝わってくる。
カラ松「さくら、好きだよ……もうさくらにつらい思いはさせないから。俺がちゃんと守るから」
「うん……うん……ありがとう、カラ松くん」
どうしよう……愛しすぎて死んでしまいそう。
やっぱり、わたしは世界でたった1人……この人のことが好きだ。
ねえ、カラ松くん。
カラ松くんがカラ松でよかった。
あなたのおかげで、わたし、今とても幸せだよ。
だから、わたしもあなたに幸せをたくさんあげたい……
わたしは、カラ松くんを優しく抱きしめ返した。
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