第2章 再会【一松、おそ松+十四松】
チョロ松「あ……そうだ。僕、何か飲み物もってくるよ。さくらちゃん、何がいい?」
「ありがとう。わたし、紅茶」
おそ松「あ、オレも手伝うよ、チョロ松」
お茶を淹れるために立ち上がったチョロ松くんを追いかけるように、おそ松くんも席を立つ。
チョロ松「え? なんだよ、珍しい。てか、気持ちわる」
おそ松「なんだよ、気持ち悪いって! おまえ、長男様にむかってなんて口きいてんだ!」
チョロ松「あー、もう、面倒くさいな。わかったよ、ありがとう、おそ松兄さん」
おそ松「そうそう、それでいいんだよ、チョロ松くん♪」
チョロ松「あ、十四松。おまえも手伝って」
十四松「あーーーーい!!!」
十四松くんは、素直に立ち上がり、風のように居間を出ていった。
……残されたのは、わたしと、カラ松くんと、一松くん。
カラ松「なあ、さくら」
と、カラ松くんが、高校時代と変わらない、ちょっと芝居がかったような口調で話しかけてくる。
カラ松「さくら、退屈だろう? 二階の俺の箪笥に、高校の卒業アルバムがあったはずだ。持ってきてもいいぞ?」
「えっ……それは確かに見たいけど、なんでわたしに取りに行かせるの?」
カラ松「ふっ、俺は一松と大事な話があるんでな」
ああ……つまり、ちょっとの間席をはずしてほしいってことか。
一応、わたし、お客さんのはずなんだけど……
でも、まあ、いいか。本当に大事な話なんだろうし。
「うん、わかった。カラ松くんの箪笥って、何段目?」
カラ松「上から二段目だ。名前が貼ってあるからすぐにわかる」
「おっけー、ありがとう」
わたしは、よいしょ、と腰をあげた。
そして、居間を出て、二階へと向かった。
そのときなんだか背中に突き刺さるような視線を感じた、ような気がした。