• テキストサイズ

【おそ松さんR18】君がため

第2章 再会【一松、おそ松+十四松】




***


「上から二段目… 上から二段目… あ、これかな?」


二階の子供部屋の奥にある、茶色の箪笥。

その二段目の引出しに、白いシールが貼ってあり、青のマジックペンで「からまつ」と書いてあった。

そっと引出しを開けると、ふわっと香水の香りがした。


「カラ松くん、香水なんてつけるんだ……」


引出しの手前にあったマリンブルーの香水瓶を手にとる。

そういえば、昔からお洒落には気のつかえる人だったなあ……

髪の毛とかも、ちゃんとワックスでセットしてたし、服にもなんか変なこだわりあったし。


「彼女、いてもおかしくなさそうなのに……」


ぽつり、呟いたそのとき。引出しの奥に、分厚いアルバムを見つけた。

あった。

これだ。わたしたちの卒業アルバム。

そっと手に取り、ぱらぱらとめくってみる。

なつかしい。


「……あ」


ふと、知らない女の子と笑い合っているカラ松くんの写真を見つけた。

おそらく、修学旅行のときの写真だ。女の子が誰なのかは分からないけど、その写真の中のカラ松くんは、すごく楽しそうだった。

なぜだか、ずきりと胸が痛んで、わたしは思わずアルバムを閉じた。

せっかくだけど、これを見るのはやめよう。

アルバムを元の場所に戻し、引出しをしめる。


「この箪笥って……引出しが割り振られてるのかな?」


ふと、他の兄弟の引出しも気になって、一番上を開けてみる。

いけないと分かってはいるけど、好奇心が勝ってしまった。


一番上の段は、おそ松くんの引出しだった。

中身は、大量のレシート。そして、成人向けのいかがわしい雑誌やら本やらがどっさり。


「ご、ごめんなさい、おそ松くん……」


わたしは、見なかったふりをして、引出しをしめた。

つぎに開けたのは、三段目。
たぶん、これはチョロ松くんの引出し。

中には、地下アイドルの生写真や、DVD、グッズなんかがたくさん。その奥に、タ○ンワークなどの就活雑誌が数冊入っている。

真面目なんだか真面目じゃないんだか、よくわからない。

三段目の引出しをしめて、四段目を開ける。

このころには、もう人の箪笥をあさっているという罪悪感もなくなっていた。


たぶん、この並び順だと、四段目は一松くんの引出しだ。

しかし。

引出しをあけたわたしは、絶句した。



/ 464ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp