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【おそ松さんR18】君がため

第11章 本当は【カラ松+一松】




一松くんは、わたしを二階の寝室に引き入れた。

そして、引き戸を閉めると、わたしに向き直った。


一松「……怖がってる?」

「う、うん……少し」

一松「あっそ。でも安心しなよ。何もしないから」


一松くんは、わたしの手を優しく握り、かすかに笑った。


「あ……」


久しぶりに見たかも。一松くんの笑った顔。


「何もしないの……?」

一松「なんで? 逆に何かしてほしいわけ?」

「そうじゃなくて。わたし、逃げようとしたんだよ? おそ松くんも怒ってた……。なのに、どうして許してくれるの?」

一松「最近、思ったんだよね。僕、あんたの泣いた顔よりも、笑った顔のほうが好きだって」

「えっ……?」

一松「だから、何もしないよ。あんたのこと、泣かせたくないから」

「一松くん……」


わたしは、一松くんの手を、思わず握り返していた。

まさか、そんな言葉を一松くんの口から聞くとは思ってもみなかった。


わたしの笑った顔が好き……?

そんな。嬉しい。どうしよう。


「あの、一松く……えっ?」


視界が反転した。

突然の出来事に、わけが分からず困惑する。


わたしは、一松くんに床に押し倒されるような体勢になっていた。


一松「……なんて言うと思った?」


一松くんは、悪魔のような笑みを顔にはりつけた。

その笑みを見た瞬間、ぞわりと背中に悪寒が走った。


「え……ど、どういうこと」

一松「ヒヒッ、その顔。それが見たかったんだよね、ずっと」

「えっ……?」

一松「優しくしてもらえて嬉しかった? 僕が助けてくれると思って期待した? それを裏切られるってどういう気分?」

「い、一松くん……?」

一松「あんたの笑った顔が好きなんて嘘だよ。ほんとは、あんたのその絶望した顔が大好き」


な……

なにそれ。そんな。

じゃあ、今まで一松くんがわたしに優しかったのは……


一松「でも、ちょうどよかった。僕もそろそろ限界だったんだよね」


一松くんの手が、わたしの服のボタンをぷちぷちと外す。


「あ……っ、や、やだ!」

一松「なんか、前より反抗的じゃね? ま、それも悪くないけど」

「う……ッく」


思わず、涙があふれた。


ひどい……

こんなの、ひどいよ。




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