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【おそ松さんR18】君がため

第11章 本当は【カラ松+一松】




***


家につくなり、おそ松くんは、乱暴に玄関の扉をあけて、わたしを中へ突き飛ばした。


「つ……ッ!」


突き飛ばされたわたしは、お腹を床に打ち付けられて、痛みのあまり声をあげた。

思わず涙がにじむ。


トド松「ちょっと! おそ松兄さん! そんな乱暴なこと、」

おそ松「おまえは黙っててくんないかな? トド松」

トド松「……ッ」


鋭くにらみつけられて、トド松くんは言葉を失った。

無理もない。

今のおそ松くんは、誰も逆らえないような殺気を放っていた。


おそ松「……さくら、さっさと立って。靴脱いで」

「は、はい……」


あまりの恐怖に、つい敬語になった。

言われたとおりに靴を脱いで家の中にあがる。

と、そのとき。

廊下に面したお風呂場の扉がひらき、お風呂上がりと思わしき一松くんが姿を現した。


一松くんは、下にジャージこそ履いているものの、上半身は裸で、肩にタオルをかけていた。

髪は濡れたままで、頬もお風呂の蒸気のせいかほんのりと赤い。


「あ……い、一松くん」

一松「あれ。さくら。どうしたの」

おそ松「おっと、一松。帰ってきてたんだな」

一松「……って、トド松?」


おそ松くんのほうを見た一松くんの目は、自然とトド松くんの姿をとらえ、その目が大きく見開かれた。


一松「おそ松兄さん。どういうこと。なんでトド松がここにいんの」

おそ松「詳しいことはあとで話すから。っていうか、俺もコイツにまだ色々聞かないとなんねーし」


おそ松くんは、そう言って、わたしの肩をつかんで一松くんのほうへ突き飛ばした。

突き飛ばされてバランスを崩したわたしを、一松くんがあわてて抱きとめてくれる。


おそ松「俺はトド松と話があるから。一松、あとは頼んだわ」

一松「あ……そういうこと」


今ので、一松くんは何かを察したらしい。


一松「あんたも懲りないね」

「ご、ごめんなさ……」

一松「ま、いーや。来て」


一松くんは、わたしの腕を引いた。

それは、何故か強い力ではなく、

どちらかというと優しい力だった。


もしかしたら、という淡い期待が浮かぶ。


一松くんは、最近優しかったし、体を求めてこなかった。

だから、わたしのことを助けてくれるかもしれない。見逃してくれるかもしれない。



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