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【おそ松さんR18】君がため

第11章 本当は【カラ松+一松】




「おそ松くん……っ」


やっぱり。

わたしは、どこかで分かってたのかもしれない。

どうせ、この人からは逃げられないんだって。


おそ松「よっ、トド松。ひさしぶりー」

トド松「おそ松兄さん……」

おそ松「おまえどこ行ってたんだよ。心配してたんだぜ? 電話も全然出てくんねーし、さすがの俺でもあれだけシカトされたらショックだわ」

トド松「おそ松兄さん。僕、家に帰る気ないから」


トド松くんは、おそ松くんをしっかりと見据えて、そう断言した。


おそ松「へえ? で、さくらつれてどっか行くつもりだったんだ?」

トド松「目を覚ましてよ、兄さん。さくらちゃんは、僕たちのものじゃないんだよ? こんなこと続けて、きっと兄さんも後悔するよ」

おそ松「僕たちのものじゃない、か……じゃあ、おまえはどうしてさくらとふたりで逃げようとしてんの?」


おそ松くんの言葉に、トド松くんは大きく目を見張った。


トド松「そ、それは……」

おそ松「『僕たち』のものではないけど、『僕』のものにはしていい、ってか?」

トド松「僕は、そんなつもりじゃ……!」

おそ松「うん、いいよ。言い訳はあとでゆっくり聞くから」


おそ松くんは、トド松くんの肩に手を回した。

その顔は笑っているんだけど……でも、わたしには分かる。

おそ松くんは、今、ものすごく怒ってる。


まずい。

このままでは、トド松くんがひどい目に遭ってしまう……!

わたしのせいで。

わたしを逃がそうとしたせいで。


「あの……っ、おそ松くん」


わたしは、おそ松くんとトド松くんの間に、むりやり割って入った。


「ち、ちがうの……! トド松くんは悪くないの。わたしが……わたしが逃げたいって言ったの! トド松くんに協力してくれるように頼んだの!」

トド松「さくらちゃんっ……」

「だから、わたしが悪いの。ごめんなさい……!」

おそ松「……」


おそ松くんは、なんとも言えない冷めた表情でわたしを見下ろした。

嘘がバレたのか、それともわたしの言葉を信じて怒っているのか……


おそ松「ふーん。そうなんだ? でもさ、それが本当だとしたら、またお仕置きしないとダメかもなぁ?」

「……ッ」






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