第11章 本当は【カラ松+一松】
きっと、本当に怖いのはわたしじゃない。
こんな提案をしているトド松くんが、わたしよりも、もっとずっと怖いはずだ。
それでも、トド松くんは、わたしに協力すると言ってくれている……
でも。
わたしは、本当にあの家から逃げ出したいのだろうか。
カラ松くんから離れるの?
あんな状態の十四松くんを置いていくの?
それで後悔しないの?
トド松「さくらちゃん……?」
「トド松くん……わたし……」
トド松「お願い……信じて」
トド松くんは、今にも泣き出しそうなうるんだ瞳でわたしを見つめていた。
その瞳は、まるで、僕を一人にしないでと言っているようで。
わたしは、目をそらすことができなかった。
わたしは、
トド松くんの手を、弱々しく握り返した。