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【おそ松さんR18】君がため

第11章 本当は【カラ松+一松】




待ち合わせ場所は、商店街にある喫茶店に決まった。

電話を切って、喫茶店を目指して歩き出す。


道中、わたしは、なんだか緊張していた。

トド松くんに会うのは本当に久しぶりだったし、どんな顔で会えばいいのかわからないというのも本音だった。


喫茶店につくと、トド松くんは、既に来ていて、窓際の2人掛けの席にすわっていた。


「あ……トド松くん」


手をあげて呼びかけると、トド松くんの目がこちらを向いた。

その顔は、堅く、今にも泣き出しそうだった。


トド松「さくらちゃん……ひさしぶり」

「久しぶり。待たせちゃってごめんね」

トド松「ううん、そんなことない。とにかく、座って、好きなもの頼んで。僕、おごるから」

「ありがとう……」


わたしは、トド松くんの前に腰をおろした。

……なんだか気まずい。

こうやってふたりきりで向かい合ってお茶をするのなんて、一体何年ぶりなんだろう。


トド松「高校生のころ、よく来たよね。この喫茶店」

「え……?」

トド松「覚えてない? 放課後によく2人で来てたの。 さくらちゃん、ここのミルクティーが好きで、よく頼んでたじゃん」

「お、覚えてるよ……! トド松くんこそ、忘れてると思ってた」

トド松「忘れるわけないよ。あんな楽しい思い出」


トド松くんの目が、ふっと遠くなった。その唇に、うっすらと微笑みが浮かび、頬がほんのりと紅潮した。

なんか……うれしい。

そんな何年も前のことをちゃんと覚えてくれているなんて。


わたしは、注文を取りにきた店員さんに、ミルクティーを頼んだ。

そして、十数分後。それが運ばれてきたとき。

トド松くんの口がひらいた。


トド松「それで……さくらちゃんは、ただ僕と会いたかったわけじゃないんだよね?」


やっぱり、ばれてた。


トド松「おそ松兄さんあたりに、僕を連れ戻すように言われたんでしょ? あ、隠さなくていいよ。僕、怒ってないし」

「ご、ごめんね、トド松くん……」

トド松「さくらちゃんは悪くないよ。謝らなくちゃいけないのは僕だから……」


トド松くんは、目線をテーブルに落として、眉を垂れた。


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