第10章 十四松のひみつ【十四松】
「さくらちゃ〜ん!どぅーん!」
背中に重みを感じた。
ぱっと振り向くと、わたしの背中に抱きついていたのは、他でもない十四松くんだった。
「十四松くん……ッ」
十四松「ねーねー、なんの話してるのー?ぼくも混ぜてー!」
十四松くんは、顔は笑っているんだけど、
目には光がなくて、
なんだか、
言葉では言い表せない色をうつしていた。
……もしかして、さっきの会話、きかれてた?
「あの……十四松くん」
十四松「ねーねー!カラ松兄さん。さくらちゃんとなんの話してたのー??」
カラ松「え?ああ……それは……」
カラ松くんの目がちらりとわたしを見る。
たぶん、カラ松くんはわかってる。
さっきの話の内容を十四松くんに話してはいけないと。
「あのね、十四松くん。わたしたちは、」
十四松「さくらちゃん」
十四松くんが、わたしの言葉をさえぎる。
その手が、わたしの手首をつかんだ。痛みを感じるほど強い力で。
十四松「マサカ、アノコト、カラ松兄さんに言ったりしてないよねェ??」
ぞくり。
背中に冷たい汗が流れた。