第10章 十四松のひみつ【十四松】
「いっ、ああぁぁ…ッう」
あまりの痛みに、思わず声をあげる。
生理的な涙があふれてきて、頬を伝った。
十四松くんは、そんなわたしを見下ろしながら、二度、三度、とカッターを振り下ろした。
「痛いッ…じゅうしまつく…ぁアッ…」
十四松「わー、さくらちゃん、血まみれ〜」
「お願いッ…もうやめて!」
十四松「やーだ! いっしょに楽しいことする約束でしょ?」
十四松くんは、笑いながら、今度は自分の腕にカッターを振り下ろした。
十四松くんの腕にカッターが突き刺さり、赤い血があふれだす。
それを見ても、十四松くんは、ただ狂ったように笑っているだけ。
わたしは、そんな十四松くんをただただ見ていることしかできなかった。