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【おそ松さんR18】君がため

第9章 もっと欲しい【トド松、おそ松】




夜の家は、たしかに声が響く。

わたしの声が二階まで聴こえてもおかしくはない。


おそ松「声、ちゃんと抑えて」

「ん…っ、うん」


両手を口にあてて、必死に声を押し殺す。


「ん…んンッ……は、ンん」

おそ松「あ、いいねー、その顔。最高」


おそ松くんを見ると、彼は、楽しそうに笑みを浮かべていた。

その笑顔を見て、気がつく。彼は、二階に声がきこえることを危惧していたわけではなく、ただわたしに声を我慢させて楽しんでいるだけだと。


「この…ドS……ッ」

おそ松「あ、怒った? めずらしい。でもその顔も好きかも、たまんねー」


貪るようにキスをされた。

舌で上の口を、指で下の口を掻き回されて、徐々に絶頂が近づいてくる。


おそ松「さくらって、キスしながら下いじられんの好きだよねー」

「……っ」

おそ松「でも、今日はここでおしまいね。俺、寝るから。おやすみ〜」

「…ぇ……っ」


おそ松くんは、何事もなかったかのようにわたしの上から退くと、あくびをしながら出て行ってしまった。


え……?

わたし、放置されたの……?


絶頂を迎えそこねた身体は、じんじんと熱く、刺激を求めて疼きだす。


「ああ、もう……!なんなの」


行き場のない苛立ちと身体の熱を抑えて、パジャマを着る。

最後までシてもらえなかったことに苛立っているのではない。

こんなことを考えざるをえない状況をつくったおそ松くんに、どうしようもなくイライラした。


確かに、電話をかけようとしたのは悪かったけど、

こんなのひどい……



それから、二階に戻って、布団に入ったけれど、身体が火照ってしまい、眠りにつけなかった。

苦しい……どうしよう。

ひとりでする?

でも、そんなの、したことないし怖い。


わたしが悶々としながら寝返りをうったそのとき。


一松「どうしたの。眠れないの」


わたしの隣に寝ていた一松くんと、目が合った。


「一松くん……起きてたの?」

一松「あんたが何回も寝返りうってて寝苦しそうだったから……起きた」

「ごめん。起こしちゃったね」

一松「べつに」


一松くんは、そう言って、そっと手を伸ばしてきた。

その手が、わたしの手を包み込んだ。


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