第9章 もっと欲しい【トド松、おそ松】
一松くんの手は、イメージとは裏腹に、あたたかくて、大きくて、なんだか安心した。
一松「さくら、手つめたい」
「……そうかも」
一松くんの目が、わたしをじっと見つめる。
何を考えているのかよくわからない、色のない瞳。
思わず、どきっと胸が高鳴った。
一松「……寝なよ」
「うん……」
不思議と、身体の火照りはおさまっていた。
どちらからともなく、指と指を絡ませてそっと握る。
安心する……
なんだか、眠くなってきた……
一松くんは、もしかしたら、催眠術でもつかえるのかもしれない。
そんなことを考えながら、わたしの意識は、深いまどろみの中に沈んでいった。