第9章 もっと欲しい【トド松、おそ松】
トド松「ごめん、さくらちゃん。こんなもの見せられたら、僕、優しくできないかも」
「と、トド松くん……」
妖しく笑うトド松くんは、いつものトド松くんじゃない。
じんわりと涙がにじんだ。
「おねがい……ひどくしないで」
トド松「今、僕、すごく怒ってるから、言われたことと反対のことしちゃうかもよ?」
「えっ……そんな、ひゃっ!?」
トド松くんは、わたしの下のパジャマを引き下ろすと、そこへ自身をあてがった。
「ま、待って……! そ、そんな、いきなりっ……!」
トド松「ちょっと黙って」
冷たく言い放つトド松くんに、思わず息をのむ。
ずきん、と心が痛んだ。
「あぐっ…ぐ、っっっ!」
トド松くんが、大して濡れてもいない、慣らしてもいない、乾いたそこに勢いをつけて挿入ってくる。
思わず、痛みで意識が遠のく。
「いっ、痛い……やだ、痛いよおっ」
トド松「そうだね。全然濡れてないもんね」
「おねがっ……ゆるして!!」
トド松「さくらちゃんが悪いんだよ。こんなの、黙ってつけさせるから」
トド松くんの指が、首筋をつうっとなぞった。
かと思うと、その指に、ぐっと力がこめられた。
「ん、ぐっ……」
わたしは、トド松くんに首を絞められていた。
なんで、なんで、なんで。
苦しい。痛い。どうしてこんなことするの……トド松くん。
必死に逃れようともがくけれど、トド松くんの手はびくともしない。
そうしている間にも、ぎりぎりと着実に首が絞まっていく。
「ぐっ……んぐ、ぐっ……と、トド松く……」
トド松「僕は、さくらちゃんのことが好きなんだ。それだけなんだ……」
「くぅっ……くるし……だ、だれかっ……」
トド松「どうして、こんなことになっちゃったの……」
トド松くんの涙が、頬に落ちてくる。
トド松くんは、わたしの首を絞めながら、泣いていた。
と、そのとき。
バタン、と音がしてお手洗いのドアがひらいた。
「何してんの、トド松」
ドアの向こうにいたのは、おそ松くんだった。
彼は、わたしが首を絞められている光景を目の当たりにしてもさほど動じていない様子で、寝ぼけ眼をこすりながら大きなあくびをした。