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【おそ松さんR18】君がため

第50章 ふたりだけの世界《カラ松END》




カラ松くんは、わたしの話を静かに聞いてくれた。

が、わたしがみんなに無理矢理あの家に軟禁されたことを話すと、とたん眉根を寄せた。


カラ松「……それは本当なのか、さくら?」

「う、うん……」

カラ松「さくらは、ずっと一人でそんな恐怖に耐えていたのか?」

「えっ……?」


てっきり怒られるか失望されると思っていたのに、

カラ松くんは、そう言ってわたしを抱きしめた。


「か、カラ松くん……」

カラ松「すまなかった、気がつかなくて。さくらがそんな思いをしていたなんて……知らなかった」

「……」

カラ松「でも、もう大丈夫だ。もう怖がることはない。俺がなんとかするからな」


カラ松くんは、優しい声色でそう言って、わたしの背中を撫でてくれた。

そのあたたかなぬくもりに、安堵がこみ上げてくる。


しかし、次の瞬間。

カラ松くんが発した言葉に、雷で打たれたような衝撃が走った。


カラ松「……俺とふたりで逃げよう、さくら」

「えっ……?」


に、逃げる……?

カラ松くんとふたりで?

逃げる……?


「それって……」

カラ松「正直、俺にもブラザーたちが何を考えているのか分からない。分からないから怖い。もし、俺が止めようとすればさくらに危害が及ぶかもしれない」

「そ、それは……」

カラ松「だから、ブラザーたちには内緒で、ふたりで逃げるんだ。だれも追ってこない、どこか遠くへ」

「……どこか……遠くへ……」


カラ松くんに言われた言葉を口の中で繰り返す。

カラ松くんは、そんなわたしに、そっと手を差し出した。


カラ松「俺を信じてくれ、さくら」


差し出された手を、見つめる。

大きくて、あたたかで、いつでもわたしを守ってくれた、カラ松くんの手。


気がつけば、わたしは、その手を取っていた。


「……うん。ありがとう、カラ松くん。わたし、あなたに何処までもついていく!」

カラ松「……ありがとう、さくら」


カラ松くんは、ふっと優しく笑って、わたしにキスをした。




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