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【おそ松さんR18】君がため

第49章 あなたに貰ったもの《おそ松END》




Side さくら


涙に濡れた顔をゆっくりとおそ松くんのほうへ向ける。

目が合ったおそ松くんは、心配げに眉を垂れてわたしを見ていた。


「おそ松くん……わたし、カラ松くんに聞いちゃった」

おそ松「カラ松に聞いたって、なにを?」

「わたしたちが高校生だったころの話……」


わたしがそう答えた瞬間、おそ松くんの目がみるみると見開かれた。


おそ松「は!? 高校生だったころのって…まさか」


どうやら、わたしがカラ松くんに何を聞いたのか、分かったようだ。


「どうして言ってくれなかったの…? 影でわたしを助けてくれてたこと」


そう。

あのころのわたしは、人気者のカラ松くんと仲が良かったせいで、いろいろな女の子から反感をかっていて。

顔も名前も知らないような子たちからも、敵意と嫉妬を向けられていた。

嫌がらせをされたこともある。

大声で怒鳴られたこともある。

廊下ですれ違いざまに舌打ちをされたり、わざと足を引っ掛けられたり、そんなことも日常茶飯事だった。


けれども、わたしは知らなかったのだ。


まさか、そんな女の子たちが、誰とも分からない男子たちにわたしを強姦するように頼んでいて、

それを実行しようとする男子たちを、おそ松くんが止めてくれていたなんて。

おそ松くんが、わたしの知らないところで、わたしを助けてくれていたなんて。


おそ松「だって……そんなのわざわざ言うことじゃないかなーと思ってたし、別に言ったってさくらを怖がらせるだけでどうにもなんねーし……」

「それでも、言ってほしかった……」


わたしは、おそ松くんの手を取り、ぎゅっと握りしめた。


「だって、もしおそ松くんがそのことを言ってくれてたら……こんなふうに悩まなくて済んだもの」




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