第49章 あなたに貰ったもの《おそ松END》
おそ松「……どういう意味?」
きょとんとするおそ松くんを、今度はしっかりと抱きしめる。
そして、大きく息を吸った。
「わたし、おそ松くんのことが好き。あなたのことが、誰よりも……ううん、あなただけが好き」
それは、わたしの噓偽りのない告白だった。
それを聞いたおそ松くんは、「…………へ?」と間の抜けた声をもらして固まってしまった。
「ごめん……いきなりで驚いたよね?」
おそ松「えっ、ちょっ、たんまたんま! どゆこと? 好きって、何が? 誰が誰を?」
「わたしが、おそ松くんを」
おそ松「……嘘だろ?」
「嘘じゃないよ」
おそ松「誰かに言わされてるとか?」
「そんなわけないでしょ。わたしの本当の気持ちだよ」
そこまで言った瞬間、突然、おそ松くんの腕が身体に回った。
そのまま、苦しいほどの力で抱きしめられる。
おそ松「わけわかんねーよ。どうして俺なの?」
「おそ松くんだから、好きになったんだよ」
おそ松「俺、さくらに酷いことたくさんしたのに……それでもいいの?」
「うん。だって、それ以上に素敵なもの、たくさんもらってるから」
おそ松くんの頭に手を置いて、さらりと髪を梳く。
「わたし、おそ松くんのこと、誤解してたの。おそ松くんは、本当はわたしのことなんか好きじゃないって……わたしをみんなの傍に置いておきたいだけなんだ、って思ってた」
おそ松「ばか……そんなわけねーじゃん」
「うん……それはカラ松くんの話を聞いてよく分かったよ。あなたは、誰よりも1番にわたしのことを考えてくれてた」
わたしの言葉に、おそ松くんは頷いた。
そして、そっと触れるだけのキスを唇に落とした。
おそ松「うん。だって、好きだもん。さくらのこと」
「……わたしも、おそ松くん大好き」
今度は、わたしから。
触れるだけではない、深いキスをした。
これからは、この人と生きていくんだ。
遠回りしたけど、この人となら、きっと幸せになれる。
そう信じて、わたしは目を閉じた。
<End...>