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【おそ松さんR18】君がため

第49章 あなたに貰ったもの《おそ松END》




Side おそ松


さくらに最近避けられている。


原因は、バカな俺でも分かる。あの日……プールに遊びに行った日が原因だ。

けれども、あのときのさくらの言葉の意味は、未だによく分かっていない。

あのとき、さくらは、自分を俺たち6つ子の人形にする気なのかと言って泣き出した。

どうして、あのとき、あのタイミングで、さくらはあんなことを言ったんだろう?

俺は、気付かないうちにさくらの地雷を踏んでしまったんだろうか?


おそ松「はぁ〜……」


溜め息をついて、貸し玉がなくなったパチンコの台を無気力に見やり、立ち上がる。


今日はぜんっぜん出なかったなあー。

ついてないなあー。


手持ちがゼロになってしまったので、そのままパチンコ店を出て家に帰ることにした。

ポケットに手をつっこむと、空っぽの煙草の箱に手があたった。

そういえば、煙草も切れてたんだった。


あーあ、やっぱりついてない。


ぎりっと下唇を噛んだ、そのとき。

向こうから見慣れた紫色のパーカーが歩いてくるのに気がついた。


おそ松「……おっ、一松〜。どしたの、散歩?」


声をかけると、一松も俺に気付いたようで、「おそ松兄さん」と俺の名前を呟いた。


一松「散歩っていうか猫に餌やりに行くとこだけど……おそ松兄さんこそ何してんの」

おそ松「んー、俺はこっち」


くいくいっ、と手でパチンコのハンドルを回す仕草をしてみせる。


一松「……相変わらず好きだねえ」


一松は、もともと眠たそうな目を更にかすかに細めた。


おそ松「そーいや、今って家に誰かいんの?」

一松「さっきはさくらとカラ松しかいなかったけど…」

おそ松「ふーん…」


さくらとカラ松か。

ならきっと今頃、そういうことしてるんだろうなあ。


そう考えると、じくりと胸の奥に針が刺さったような小さな痛みが走った。


一松「……あんたも素直じゃないよね」


突然そんなことを言われて、一松を見ると、一松はマスクの下で口角をあげて笑っていた。


おそ松「は? なにそれ、どういう意味?」

一松「別に」


なんだよ、意味わかんねー。




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