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【おそ松さんR18】君がため

第49章 あなたに貰ったもの《おそ松END》




しかし、カラ松くんは、そうか……、と呟いたきり、ふたたびテレビに目を戻して口を閉ざしてしまった。


「え……? あの日のこと、訊かないの?」

カラ松「……はは、どうして? 訊いてほしいのか?」


カラ松くんは、小さく笑った。


「そ、そうじゃなくて……だって、わたし、カラ松くんのことが好きって言いながら、一松くんとその……そういうことしてたんだよ? なんとも思わないの?」

カラ松「うーん、なんとも思わないわけじゃないが……でも、そんなのあの日初めて知ったわけじゃないしなあ……」

「………………えっ!?」


えっ、えっ、ええっ!?

ど、どういうこと?

あの日初めて知ったわけじゃないって……そ、それって……


カラ松「さくら……俺が知らないわけないだろう。それに、同じ家で生活しているんだぞ? 気付かないほうがおかしいと思うが」

「そ、そ、そんな……」

カラ松「さくらはバカだなあ」


カラ松くんは、そう言って、わたしの頭を手でわしわしと撫でた。


「……怒らないの?」

カラ松「初めは腹がたってどうしようもなかったな」

「今は……?」

カラ松「やっぱりさくらのことが好きだから。だから、さくらが1番幸せな道を選んでほしいって思ってる」

「わたしが……幸せな道?」

カラ松「さくらは、好きな奴がいるんじゃないのか? 俺でもなく、一松でもない、心に決めた奴がいるんだろ?」


そんな……ばれてる……


カラ松「最近元気がなかったのも、そいつのせいなのか?」

「う…うん……そう、だね」

カラ松「……さくらに話したいことがある」


カラ松くんは、そう言って、優しく笑った。

その笑顔が、高校生のころ、いつも見ていたカラ松くんの笑顔ときれいに重なった。


そして、高校生のカラ松くんは、話し始めた。

わたしが知らなかった、知ろうともしなかった物語を。





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