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【おそ松さんR18】君がため

第49章 あなたに貰ったもの《おそ松END》




「わっ……びっくりした」

おそ松「なんで一人で行っちゃうんだよ〜。寂しいじゃん」


おそ松くんは、いじけた子供のように唇をすぼめた。


「ごめんって。ちょっと意地悪したくなっただけだよ」

おそ松「はあ? 相変わらずさくらってよくわかんねー」

「わかんなくていいよー。…ってわけだから、離れて?」


わたしは、身体に回されたおそ松くんの腕をとり、彼から離れようとした。

しかし。


ぎゅっ。


おそ松くんは、離さないと言わんばかりに、抱きしめる腕に力をこめた。


「ちょっ……どうしたの?」

おそ松「んー……なんかさ、やっぱ好きだなーと思って」


いつになく低くて男らしい声で、おそ松くんは愛の言葉を囁いた。


「えっ……ちょ、こ、こんなところで……」

おそ松「場所なんて関係ねーよ。俺、ほんとにさくらのこと、好き」

「……っ」


あの時と同じ声色だった。

あのとき……

ホテルで、わたしが眠っているときに彼が本音をもらしたときと、

同じ声色だった。


「おそ松くん……」

おそ松「さくらは、カラ松のことが好き。わかってる。わかってるけどさ……俺だって、カラ松に負けないくらいさくらのこと好きだし、さくらにも俺のこと好きになってもらいたい……」


おそ松くんにそんなことを言われたのは初めてだった。


これがおそ松くんの本当の気持ち……?

だとしたらわたしは……


おそ松「……なーんてね」

「えっ……?」


おそ松くんは、突然わたしから距離をとると、いつものおちゃらけた声で言った。

見ると、おそ松くんは、八重歯を見せてニシシとばかりに笑っている。


おそ松「ごめんごめん。そう言ったらどういう反応するかなーと思って」

「へ……?」

おそ松「びっくりした? 俺がそんなこと言うなんて、って」


え……それじゃあ、今のは……おそ松くんがわたしをからかおうとしただけ?


「……っ! ひどい! もう知らないっ」


わたしは、おそ松くんを押し退けると、プールを出てプールサイドを歩き出した。



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