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【おそ松さんR18】君がため

第49章 あなたに貰ったもの《おそ松END》




「そんなこと言って…おそ松くんだって顔赤いじゃん」


わたしは、おそ松くんの頬に触れて、言い返した。

すると、おそ松くんは、不意に笑みを消して、左手で頬のあたりを隠してそっぽを向いた。


おそ松「…さくらが可愛いからじゃん」

「えっ…?な、なに?」

おそ松「なんでもねーよ。じゃ、出発するから。さくらもちゃんとシートベルトしろよ?」

「う、うん……」


わたしは、促されるままにシートベルトをしめた。

それと同時に、ゆるやかに発進する車。


ほどなくして、車は、住宅街をぬけ、国道に出た。


おそ松くんの運転は、思っていたよりもずっと上手で安定していた。

それに。

パーカーのポケットに手をつっこんで、鼻歌を歌いながら片手でハンドルをにぎるおそ松くんは……なんだかすごくかっこよく見えた。


おそ松「……あ、煙草吸っていい?」

「う、うん、いいよ…!」


どうしよう。声がうわずってしまった。


おそ松「どしたの、んな動揺して」


おそ松くんは、煙草とライターを取り出しながら、きょとんとした顔をこちらに向けてくる。


「う、ううん……なんでもない」

おそ松「ふーん…?」


言えない。車を運転するおそ松くんがかっこよくてドキドキしてるなんて、絶対に言えない。


わたしがそんなことを考えていると。

おそ松くんは、車の窓を開けて、くわえた煙草をわたしに向けてきた。


おそ松「さくら、悪いんだけど、火つけてくんねー?」

「えっ……うん」

おそ松「ほい、ライター」


差し出されたライターを受け取り、カチッと火を灯す。

そして、それをおそ松くんがくわえている煙草の先端にもっていく。


「……っ」


顔が近い。

どうしよう……おそ松くんってこんなにかっこよかったっけ?




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