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【おそ松さんR18】君がため

第47章 夏祭り【カラ松+トド松】




冷たい声でそんなことを言うトド松くんに、安藤さんと角田さんも、まずいと思ったのか、『そうだね…』『言い過ぎたかもね…』なんて言い合っている。

そして、わたしに向かって、『ごめんね、梅野さん』と謝罪の言葉を口にすると、逃げるようにそそくさとその場を去っていった。


トド松「…まったく、失礼な人たちだよね。誰だか知らないけど」

カラ松「本当だな……さくらのことをあんなふうに言うなんて」


……嬉しい。素直に、嬉しい。

トド松くんが庇ってくれて。


トド松「……って、あれ!?さくらちゃん、泣いてる!?」

カラ松「どうしたんだ、さくら!?」

トド松「どこか痛むの?具合悪い?」

カラ松「…ああ、そうか。さっきのガールたちに言われたことを気にしているんだな。やっぱり、もう1度ちゃんと謝罪させよう。連れ戻してくるから、ちょっと待ってろ」

「まって…! ちがうの」


わたしは、歩き出そうとするカラ松くんの腕を引っ張った。


「…うれしくて。庇ってもらえたことが」


わたしは、溢れだした涙を拭いながら、正直に言った。


「ありがとう……その気持ちだけで十分だから。本当に」

トド松「……そっか。べつにお礼を言われるようなことはしてないけどね。でも、どういたしまして」


トド松くんは、そう言って、わたしの頭に手をのせた。

ぽん、ぽん、とあやすように頭を撫でられ、安心感がこみ上げてくる。


そのときだった。


――パーン


大きな音がして空を見上げれば、夜空に大きな光の花が咲いていた。


トド松「はは……花火、始まっちゃったね」

カラ松「でも、案外、ここからでもちゃんと見えるな」


きれい……


美しい花火に、ふたたび涙腺がゆるむ。

こうして、カラ松くんとトド松くんと花火を見れて……みんなとお祭りに来られて……本当にうれしい。

来てよかった。

わたしは、本当に幸せ者だ、と実感した。



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