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【おそ松さんR18】君がため

第47章 夏祭り【カラ松+トド松】




カラ松くんとトド松くんは、顔を見合わせて、「ああ…」「うん…」と呟く。

絶対思い出せないやつだ、これ……


『思い出してくれた?嬉しいー!』

『久しぶりだね! 卒業式以来だから、5年ぶり?』

カラ松「あ、ああ…そうだな。会えて嬉しいよ」

トド松「ふたりとも綺麗になったねえ。誰だかわからなかったよー、あははー」


ふたりは、わざとらしい引き攣った笑みを浮かべた。


『……って、あれ? あなたは……』

『もしかして、梅野さん?』

「あ……そ、そうです」


わたしのことまで覚えててくれたのか。

ちょっと嬉しい……かも。


「久しぶりだね、安藤さん。角田さん」

『ほんっと、久しぶりだねー! 未だにカラ松くんにべったりなんだね!』

「え……?」

『カラ松くんだけじゃ飽きたらず、トド松くんにまで手出したのー?ほんと、調子のってるとこまで変わらないんだね』

「……っ」


……なに、これ?


安藤さんと角田さんから向けられた、あきらかな悪意。敵意。

2人の笑顔の裏に隠れた負の感情に、思わず泣きそうになる。


『じゃあ、私たち、そろそろ行くね』

『またね、カラ松くん、トド松くん』


ふたりは、ひらひらと手を振って去っていく。

しかし。


トド松「ちょっと待って」


トド松くんが、ふたりの腕をつかんで引き留めた。

腕をつかまれたふたりは、驚いてトド松くんを振り向く。


『……?』

『どうしたの、トド松くん?』

トド松「……今、なんて言った?さくらちゃんになに言った?」


トド松くんは、トド松くんらしからぬ憤怒の表情を浮かべていた。


『え…? ど、どうしちゃったのよ、トド松くん』

トド松「さくらちゃんが調子にのってるって? 言っとくけど、先に手出したのは、さくらちゃんじゃなくて僕たちのほうだから。僕たちが、一方的にさくらちゃんを好きになったんだ」


トド松くんの言葉に、安藤さんと角田さんは目を見張る。


『ど、どういうこと?』

トド松「だから……僕も、カラ松兄さんも、さくらちゃんのことが好きなんだよ。今日だって、僕らの我が儘で、さくらちゃんに一緒に花火大会に来てもらってるの。だから、さくらちゃんのこと、そんなふうに言わないでくれる?」



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