第47章 夏祭り【カラ松+トド松】
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帰りの電車は、花火大会の帰宅ラッシュで満員だった。
「ぎゅうぎゅうだね…」
カラ松「仕方ないさ。花火大会のあとは大体こうなる」
トド松「だね〜」
満員電車に揺られながら、そんなことを話す。
すし詰め状態の車内では、もうカラ松くんとトド松くんがどんな顔をしているのかすらわからない。
八方から人に押されて、息をするのがやっとだった。
……と、次の瞬間。
さーっと。
お尻のあたりに違和感を覚えた。
「えっ……?」
な、なに?
痴漢……?
確かに、誰かの手がわたしのお尻を浴衣の上から撫でている。
でももしかしたら満員電車だし偶然当たってしまっているだけかも、と思い、わたしは我慢した。
しかし、それは間違いだった。
その手は、強弱をつけてわたしのお尻を揉み始めた。
「……っん」
ぐりぐりと、浴衣の上から秘部を刺激される。
かと思うと、別方向から、別な手が伸びてきて、わたしの胸を包み込んだ。
「……っ!!」
……え!?
もしかして、2人組みの痴漢なの…!?
わたしが驚いている間にも、胸に回った手が、浴衣の上から胸を揉み始める。
「…ふ……あ」
お尻と胸を同時に揉まれて、思わず声が出る。
そのときだった。
カラ松「……あまり大きい声出すとばれるから、静かにな」
トド松「そうだよ、さくらちゃん。声、我慢して」
「えっ……!?」
身体を動かせないから確認はできないけど……
もしかして、わたしの胸とお尻を揉んでいるのって……カラ松くんとトド松くんなの!?
「ちょっ……やだ、やめて……」
トド松「ううん、むり♡ だって、浴衣姿のさくらちゃん見てたらむらむらしてきちゃったんだもん」
カラ松「最寄り駅まで、イカずに我慢しろよ、さくら?」
「ふぁ…うぅ…そんなっ……」
前言撤回だ。
やっぱり、花火大会なんて来るんじゃなかったー!
……と言いつつ、来年もきっとみんなと来てしまうんだろうな。
と思うあたり、わたしは、本当に馬鹿な女だ。
だってしょうがないじゃない。
こんな変態なみんなでも、大好きなわたしの恋人候補なんだから。
<End...>