第47章 夏祭り【カラ松+トド松】
それから、わたしたちは、たこ焼きや焼きそば、お好み焼きなんかを買って食べ歩きした。
わたしは、右手にりんご飴、左手に金魚の入ったビニール袋をもって。
そして、わたしのりんご飴ももう少しでりんごの部分に到達しそう……という頃。おそ松くんのスマホが鳴った。
チョロ松「……ん? だれ?」
おそ松「あー、一松だ……もう2時間経ったのか」
おそ松くんは、スマホの画面を睨みつけて、溜め息をつく。
2時間、あっと言う間だったな。
楽しかった……
「ありがとね、2人とも。とっても楽しかった」
チョロ松「うん、こちらこそ。また家で会おうね」
おそ松「ここで待ってれば一松と十四松が迎えにくると思うから。じゃ、引き続き、お互いに楽しもうな〜」
おそ松くんとチョロ松くんは、手を振って離れていった。
おそ松くんとチョロ松くんと一緒にいると、ほんと楽しいし笑ってばかりだ。
ふたりには、そういう才能があるのかもしれない。
そんなことを考えていると。
???「あーーっ!!さくらちゃんだ!!どぅーーん!!」
突然、誰かに抱きつかれて、わたしはバランスを崩した。
しかし、倒れかけたからだを、またもや誰かに抱き寄せられ支えられる。
見ると、わたしの正面には十四松くん、背後には一松くんがいた。
「び、びっくりしたあ〜。何があったかと思ったじゃん」
十四松「ごっめーん!さくらちゃん、可愛かったからつい抱きつきたくなっちゃった!」
一松「…僕はそれを予知して支えてやった」
「そ、そう……それはどうも」
わたしは、2人から一歩距離をとり、乱れた浴衣をなおす。
一松くんと十四松くんは、色違いの黄色と紫の甚平姿。
しかも、2人とも顔の横に変なキャラクターのお面をつけている。
「…すっかりお祭り気分だね、ふたりとも」
一松「ヒヒッ……さくらの分も買ってあるよ。つける?」
「い、いや、遠慮する…」
十四松「えーっ!なんでなんで!? 可愛いのに!」
「だってわたしまでお面つけたら不審者3人組みたいになっちゃうよ」
十四松「そっかあ〜〜! じゃあさ、じゃあさ、さくらちゃんは、何がほしいー?」
それは、つまり、好きなものを買ってくれるってことだろう。
わたしは、うーん、と考え込む。