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【おそ松さんR18】君がため

第46章 がんばっている君に【チョロ松】




着替えを終えて階下におりていくと、台所から美味しそうな匂いがただよっていた。

そっとのぞくと、エプロンをしめたさくらちゃんが、なにやら鍋を火にかけて、鼻歌まじりに何かを包丁で切っていた。


……なんか新婚さんみたいだな。

なんて、思ったり。

あはは、僕、なに考えてるんだろう。


チョロ松「さくらちゃん……」

「……あっ、チョロ松くん。着替え終わったんだね」


僕が呼びかけると、さくらちゃんは、僕を振り向き、笑顔を浮かべた。


「もうちょっと待っててね。すぐできるから」

チョロ松「うん。なに作ってるの?」

「中華丼だよ。酢と胡椒と辣油は食べる前に入れないと美味しくないから……あと、トッピングのネギも」

チョロ松「そっか、わざわざありがとね」


じーん、と胸が熱くなる。

ほんと、さくらちゃんはいい奥さんになると思う。

料理上手だし(昔は散々だったけど)、家事も面倒くさがらずにやってくれるし、世話焼きだし。


僕とさくらちゃんなら、理想の家庭を築けるのにな……

なんて考えてしまい、その考えを頭から振り払う。

だって、それを決めるのは僕じゃない。


「……チョロ松くん?」

チョロ松「えっ…あ、……な、なに?」


さくらちゃんに名前を呼ばれて、我に返る。


「ごはん、できたよ?」

チョロ松「あっ…ほ、ほんと? ありがとう」


僕は、ほかほかと湯気をたてている中華丼のどんぶりと箸を受け取り、


チョロ松「さくらちゃんは、もう寝ていいよ?さくらちゃんも疲れてるでしょ?」


と、促した。

しかし、さくらちゃんは、僕のその言葉に唇をすぼめた。


「えーっ、なんでそんなこと言うの? わたし、チョロ松くんとお話ししたくて待ってたのに」

チョロ松「えっ、ええええ!?」


そっ、そうなの!?

なんじゃそりゃ! 嬉しすぎてやばいんですけど!


「あ……でも、チョロ松くんこそ疲れてるよね。ごめん、やっぱり大人しく寝ます……」

チョロ松「まって、さくらちゃん!」


台所を出て行こうとするさくらちゃんを、僕は腕を掴んで引き留めた。



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