第2章 再会【一松、おそ松+十四松】
「ちょっ……何するんですか!」
『何って、決まってんだろ。謝罪してもらうんだよ』
まさか、謝罪って……
『あ、やっと分かった?』
『じゃあ、覚悟決めるんだな』
男たちの手が、わたしに向かってのびてくる。
抵抗したくても、逃げ出したくても、腕をおさえつけられていて、身動きができない。
「いやっ……やめてっ」
自然と、瞳から涙があふれだし、頬をつたう。
怖い、
怖い、
怖い、
だれか、たすけて
???「あーあ。可愛い女の子に何してるんだか」
ふと、背後で声がして、男たちは動きをとめた。
知らない男の人の声。
さっきまではここに居なかった人の声。
わたしは、首を回してその声の主を振り向いた。
そこに立っていたのは、それぞれ、赤、青、緑のパーカーを着た、まるきり同じ顔をした3人の男の子。
「あ……」
わたしは、彼らに見覚えがあった。
『な、なんだ、てめえら!』
わたしの腕を押さえ付けている男が、少し動揺気味に叫ぶ。
???「それはこっちの台詞なんですけど」
と、赤いパーカーの男の子が言う。
???「オレたちのさくらに何してくれちゃってるわけ?」
赤パーカーは、にったりと口角をつりあげて笑った。
彼の名前は、おそ松くん。
久しぶりに見るその顔に、言い知れない感情が沸き上がる。
???「汚い手でさくらに触るのは、やめてもらおうか」
と、青パーカーの男の子、カラ松くん。
???「そうそう。今大人しくその子を放せば、手荒な真似はしないよ」
と、緑パーカーの男の子、チョロ松くん。
『あァん? てめえら、誰にむかってンな口きいてんだっ!!』
チョロ松「ふーん。さくらちゃんを放す気はないみたいだね」
チョロ松くんが、そう言って笑った、そのとき。
ブロック塀のほうから派手な打撃音と悲鳴がきこえて、わたしはそちらへ目をやった。
すると。