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【おそ松さんR18】君がため

第44章 6人とひとり《逆ハーEND》




えっ?という呟きが、ふたりの口から漏れる。


「あ、あの……こんにちは。お邪魔してます……」

松代「ねえ、待って。もしかして、さくらちゃん?」

松造「えっ、さくらちゃんって、うちのバカニートたちが高校生だったころ、よく家に遊びに来てたさくらちゃんか?」

「そ、そうです……」


おずおずと答えた次の瞬間。

松代さんが、荷物を放り投げて、わたしに抱きついてきた。


松代「もう〜っ! びっくりしちゃったわ! 久しぶりね、さくらちゃん」

「お久しぶりです、小母さん」

松代「高校を卒業して隣町に就職したって聞いてたけど、こっちに戻ってきてたのね!」

「そうなんです。それで……小母さんと小父さんが留守の間、お邪魔してました……」

松代「あら、そうなの? うちのニートたちとまた仲良くしてくれてるみたいで嬉しいわ〜」


松代さんは、わたしの頬にすりすりと顔をすりつけた。

かと思うと、


松代「あ、それとも……うちのニートたちの中に恋人がいるとか?」


期待のこもったきらきらとした眼差しを向けてくる。


確かに、わたしは、一松くんと恋人同士だったけど、

でも、解消って言われちゃったしなあ……


ちがいます、と言いかけたそのとき。


おそ松「そうそう! この中に、さくらの彼氏がいるんだよな〜。な、さくら?」

「えっ……ちょっと……」

松造「それは本当か、おそ松?」

松代「……!! それって、誰なの?おそ松」

おそ松「それは秘密〜! ま、そのときが来たら、さくら本人の口から聞けるんじゃね?」


そう言って、おそ松くんは、悪戯っぽく笑って、わたしに目配せをした。


……そういうことか。

つまり、この中の誰か一人を決めたら、それを松造さんと松代さんに自分の口から言えと。


松代「なによ、もったいぶって。でも、いいわ。この中の1人がさくらちゃんを射止めることができたって知って、母さん天にも昇る気持ちだわ」

松造「よくやったぞ、ニートたち…! 娘がほしいっていう父さんの願いを叶えてくれてありがとう…!」


娘だなんて……小父さん、先走りすぎ……



だけど、なんだか嬉しいな。受け入れられてるような気がして。




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