• テキストサイズ

【おそ松さんR18】君がため

第44章 6人とひとり《逆ハーEND》




窓から吹き込んできた風が、さーっとカラ松くんの髪の毛をなびいた。

カラ松くんは、黙ってわたしを見つめていた。

怒ってもいない、悲しんでもいない、なにも読み取れない無の瞳で。


「あ、あの……わたしのこと嫌いになってくれてもいいから……それでも、言わなきゃいけないと思ったの。赤ちゃんを産むにしろ産まないにしろ、カラ松くんを騙したままでいるのは…なんかちがうと思って……」


その瞬間だった。

暖かいものが、わたしの身体を包み込んだ。


「えっ……?」


それがカラ松くんの腕であることが分かったのは、数秒経ってからだった。


カラ松「……知ってた」


カラ松くんは、ひとこと、わたしの耳元で言った。


「え……っ」

カラ松「知ってたよ、全部。さくらが、俺と一松だけじゃなくて、みんなに身体を許していること」

「うそ……し、知ってたの?」


そんな……

そんなことって、ある……?


じゃあ、カラ松くんは、それを知っててもなおわたしのことを愛してくれてたってこと……?


カラ松「それに、さくらが俺だけじゃなくて、みんなのことを好きになりかけてることにも気付いてた」

「……っ!」

カラ松「でも、さくらが気に病む必要はない。それは、仕方ないことだから」

「で、でも……っ」

カラ松「下でブラザーたちと話し合いをしていただろう? 俺たち6人全員で、産まれてくる子供の父親になるとか、そういう話をしてたんじゃないのか?」

「……そ、そうです。どうしてわかるの」


やっぱり、カラ松くんには敵わない……

カラ松くんは、なんでも分かってしまう。


カラ松「俺は、それでもいいと思ってる。さくらと1対1じゃなくても、6対1だって、愛し合ってることには変わらないだろ?」

「……っ、カラ松くん」

カラ松「あ……でも、」


そして、カラ松くんは、わたしの唇に人差し指を突きつけた。


「……?」

カラ松「……まずは、本当に妊娠しているかどうか、産婦人科で診てもらうことだな」


含みのある言い方のカラ松くんに、首をかしげる。


……どういうこと?



/ 464ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp