第43章 青色《逆ハーEND》
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ホテルのベッドの上。
わたしとカラ松くんは、ふたり寄り添って横になっている。
正確には、わたしの頭は、カラ松くんの腕の上にある。
いわゆる、腕枕ってやつだ。
カラ松くんの腕は、ほどよく筋肉がついていて、男らしくて、腕枕にぴったりだった。
このまま眠っちゃいそう……
カラ松「…どうする? 今日、宿泊にする?」
隣に寝ているカラ松くんが、不意に口をひらいた。
本当は、休憩2時間のつもりで部屋をとったのだけれど、なんだかこのまま帰るのは惜しい気がした。
「うん……泊まっていこう?」
カラ松「みんなに怪しまれるかな…」
「ううん、きっと大丈夫だよ。もし何か言われたら、オールでカラオケしてたとか、飲みに行ってたとか言えば信じてくれると思う」
カラ松「そうだな…じゃあ、宿泊にしようか」
カラ松くんは、そう言って優しく微笑むと、わたしの額にキスをした。
カラ松「さくら、もう眠い?」
「えっ……ううん、別に眠くないけど」
カラ松「服を着て、ちょっとベランダに出てみないか?」
「ベランダに…? うん、いいけど……」
ベランダに何かあるんだろうか。
今日は曇っているから星も見えないし……
不思議に思いながら、わたしは、ベッドから起き上がり、床に散らばった下着と服を身につけた。
そして、同じく服に着替えたカラ松くんと、ふたりでベランダに出る。
ちょっと夜風が冷たい……
カラ松「寒い? こっちおいで」
「え……?」
カラ松くんは、わたしの肩を抱き寄せ、大きな腕で身体を包み込んでくれた。
まるで、夜風からわたしを守るかのように。
きゅん…と胸がレモンを垂らしたかのようにときめいた。
「カラ松くんって、ほんと、素でかっこいいよね…」
カラ松「っえ? な、なんだ、それ?」
わたしの言葉に、カラ松くんは、目を見張る。
「だって、今時、こんなことしてくれる男の人っていないと思うよ? それをサラッとしてくれるんだもん……」
カラ松「そうか……あまり意識したことはなかったけど、さくらはこういうのに弱いんだな」
「……まあ、一応、女子ですから」
照れくさくなって、そっぽを向く。
と、そのとき。