第41章 紫色《逆ハーEND》
一松「おはよ、さくら」
「なっ…え、ええっ!? 一松くん、起きてたの?」
一松「いや…寝てたよ。でも、あんたが入ってくる音で起きた」
一松くんは、ギザ歯を見せて笑った。
うそでしょ……それって、つまり、最初から起きてたってことじゃん!
「ひ、ひどいよ…っ、起きてるならそう言ってよ…」
一松「ヒヒッ……ごめん」
「もうっ……絶対悪いなんて思ってないでしょ! 笑ってるし…」
一松「思ってるよ? 僕が寝てると思ってキスしちゃったさくらには、本当に悪いことしたね…ヒヒ」
「っ……!!」
一松くんは、わたしの手首をつかんで、楽しそうに言った。
「ひどい…! 一松くんのいじわる…」
一松「そうだね、意地悪でごめんね?」
「…っ、もういい! わたし、あっちの部屋行ってるから」
わたしは、一松くんの手を振り払って、部屋から出て行こうとした。
しかし、その瞬間。
今度は、ぎゅっと背後から抱きしめられた。
「…っ!」
一松「……つーかまえた。どこにも行かせないよ」
そして、一松くんは、わたしの耳に舌をからめた。
「んうっ…ちょ、ちょっと…っ」
一松「…なに?」
「まってよっ……もうすぐみんな帰ってくるから……」
一松「自分から誘っといてよく言うよ…」
「誘ってなんか……ふあっ!」
背後から回された一松くんの手が、わたしの服のボタンを上から順番にはずしていく。
そして、全部はずし終わると、今度はブラのホックを片手ではずし、手のひらで胸を包み込んだ。
「なっ、なんか……一松くん、慣れてるっ……」
一松「…そう?」
「どうしてっ…?」
もしかして、他の女の子と……なんて考えが、頭をよぎる。
だって、ブラのホックを片手ではずされたのなんて、初めてだったから。
わたしですら、ブラを外すときは両手を背中に回してやっと外せるくらいなのに……