第41章 紫色《逆ハーEND》
一松「…もしかして、妬いてる?」
「えっ……!」
妬いてる? わたしが?
「そ、そんなんじゃ……」
一松「ふーん。じゃあ、正直に言う。僕、さくら以外の子ともセックスしちゃったんだよね」
「えっ……」
鈍器で頭を殴られたような感覚だった。
ガン、と頭に衝撃が走り、頭の中が真っ白になる。
一松くんが…?
わたし以外の女の子と…?
そんな…………
「い、いつ……?」
一松「んーっとね……1番最近で3日前かな」
「相手の子は……」
一松「さくらの知らない子だよ」
「……」
わたしは、絶句した。
でも、何も言う権利はない。
だって、わたしだって、流されてしまってとは言え、一松くん以外の兄弟とも身体の関係を続けているから。
それに、わたしたちは、もともと偽装の恋人同士。
わたしが一松くんの行動にとやかく言う権利はないのだ。
「……そ、そっか……」
こみあげてくる涙を必死に我慢する。
ショックで身体が動かない。それが表情に出ることを隠すことすらできない。
と、次の瞬間。
ちゅ…と、ほっぺに優しくキスをされた。
「い……いちまつくん……?」
一松「…なーんて。嘘に決まってるじゃん」
「えっ……う、うそ?」
一松「ほんっと学ばないよね、あんた。何回だまされてんの」
見ると、一松くんは、ふたたび意地悪な笑みを浮かべていた。
あ……あああああ!また!
また騙された…!
「もっ、もう! ひどいよ…! なんでそんな嘘つくのっ…?」
一松「いや…どういう反応するかなーって」
「もう一松くんなんて知らないっ」
一松「僕が他の子と寝るのは嫌なんだね……さくら、かわいい」
「そうやって可愛いとか言って誤摩化そうとしても無駄だから…!」
一松「別に誤摩化そうとしてないけど……。ほんとに可愛いからそう言っただけ……」
一松くんの右手が、わたしの太ももを撫でた。
「ひうっ……」
一松「でもさ……それって少なからず僕のことも好きってことだよね?」
「えっ……」
一松「だって、好きじゃない男にヤキモチなんて妬かないでしょ」
耳元でそう囁かれて、びくっと身体が反応した。