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【おそ松さんR18】君がため

第40章 黄色《逆ハーEND》




そうして十四松くんに連れて来られた場所。それは……


「えっ? ケーキバイキング?」


駅前の高級ホテルの一角にある、スイーツ食べ放題のお店だった。

前に雑誌で特集を組まれていて、それを見て以来、わたしがずっと行きたくて行きたくてたまらなかったお店だ。


十四松「さくらちゃん、雑誌のこのお店のページに付箋つけてたでしょ〜? だから、連れて来てあげたかったんだぁ〜」

「ありがとう、十四松くん! 嬉しい…!」

十四松「えへへ…どういたしまして!」


そっか…

仮にも高級ホテルの中のお店だから、ちゃんとした服を着てきたんだね、十四松くん。

意外としっかりしてるんだなあ……ちょっと見直したかも。


十四松「さくらちゃん! 早くケーキ取りにいこ!」

「うん!」


十四松くんに促されて、十四松くんと一緒に、ありとあらゆるスイーツが並べられたショーケースに向かう。

大きなお皿を手にとり、ショーケースから好きなスイーツを好きなだけ取り分けていく。


まずは、無難にショートケーキ。それから、チョコレートケーキ。

あ、このプディングも美味しそう。

それから、チーズケーキ、ミルクレープ、いちごのムース、ミルフィーユ、フルーツタルト……


十四松「わーっ!さくらちゃん、めっちゃ食うね!」


ケーキでいっぱいのわたしのお皿をのぞきこんで、十四松くんが笑う。


十四松「さくらちゃん、ほんっと甘いもの好きだよねえ〜」

「うん、大好き! だから、今、とってもしあわせ!」

十四松「……っ!!」


しあわせ。わたしがそう言って笑ったそのとき、十四松くんの顔が表情を変えた。

いつもひらいている口が、きゅっと閉ざされて、目が大きく見張られる。そして、頬が、かーっとりんごみたいに赤くなった。


「どっ、どうしたの、十四松くん?」


あまり見たことのない顔の十四松くんに、あわてて呼びかける。

すると、十四松くんは、その表情を崩し、はにかんだように微笑んだ。


十四松「も、もう〜!さくらちゃん、ずるいよ! 今の顔、めちゃめちゃ可愛かった!」

「えっ……!?」


あ、ああ…うそ。十四松くん、もしかして、照れてたの?

なにそれ、反則だよ……



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