第40章 黄色《逆ハーEND》
十四松「ねえねえ! さくらちゃんっ! お出かけしようー?」
十四松くんが、デートに誘ってきたのは、おそ松くんとチョロ松くんとあんなことがあった翌日の、お昼過ぎのことだった。
その日は、雲ひとつない晴天で、わたしも、家にこもっているのはもったいないなーと思っていたので、
「うん、いいよー!」
と、ひとつ返事でそれを承諾した。
十四松くんのことだから、お出かけって言っても、お散歩とか野球とかだと思っていた。
しかし。
出かける支度をして居間におりてきた十四松くんは、いつもの黄色いパーカーでも野球のユニフォームでもなく、いつもの彼は着ないようなちょっとお洒落な私服だった。
「えっ、どうしたの?十四松くん」
なんて言葉が、思わず口からこぼれた。
十四松「んーっ? どうしたのって何がー?」
「その服! 十四松くん、いっつもパーカーかユニフォームしか着ないのに…」
十四松「あー、これ? これね、トッティに借りたの!」
十四松くんは、腕をぶんぶんと振って嬉しそうに言った。
あ…たしかに、服の系統的にはトド松くんの趣味っぽい。
十四松「今日ねっ、ぼく、さくらちゃんと行きたい場所があるんだーっ」
「えっ、行きたい場所……?」
野球じゃなくて…?
お散歩でもなくて…?
十四松くんの行きたい場所って、どこだろう。
「どこに行きたいの?」
十四松「えへへーっ! それは、着いてからのおたのしみ!!」
そう言って、十四松くんは、わたしの手を引いた。
服装のせいかいつもと雰囲気のちがう十四松くんに、思わず胸がどきっと高鳴った。