第39章 赤と緑《逆ハーEND》
「ん…っく…」
指がいいところを掠めて、思わず身体がはねた。
……なにこれ。自分でシてるのに……まるで……
「はう…ぅ…ぃやっ……」
いやいやをするように首を横に振る。
何に対するいやいやなのかは、自分でもよく分からない。
ひとりでシて感じていることへの嫌悪感か、
チョロ松くんのパーカーを使ってシていることへの背徳感か、
それとも、ひとりエッチの演出なのか……
「い…や……っ、んあ…」
わたしは、夢中になって、クリトリスを指先で擦り上げる。
蜜壷から後から後から愛液があふれてきて、わたしの太ももを伝った。
「も…イきそ……あっ、そ、そこ……!」
ぎゅっと目をつぶり、次に来るであろう絶頂に備える。
……と、そのときだった。
突然、チョロ松くんのパーカーの香りが消えた。
驚いて目をひらけば、鼻と口を覆っていたはずのパーカーがなくなっていた。
「……っ、え?」
おそるおそる目線を上げると、そこには、チョロ松くんがいて、緑色のパーカーを片手に、わたしのことを見下ろしていた。
「ちょ、チョロ松…くんッ?」
チョロ松「へえ〜〜、何してるのかな、さくらちゃん?」
チョロ松くんは、すとんと腰を落とし、わたしの顔をのぞきこんでにやりと笑った。
「…あのっ……その、こ、これは……」
チョロ松「大丈夫、答えなくていいよ。でも、こんなの見せられて、僕、我慢できない」
「…えっ?」
チョロ松くんの手が、わたしの腕を引く。
そして、次の瞬間、わたしは、チョロ松くんによって床に押し倒されていた。
チョロ松くんが、熱のこもった色っぽい瞳で、わたしを見つめてくる。
その瞳に、じゅっと心の中で熱いものがくすぶった。
「チョロ松くん……」
チョロ松「はあ……やっぱり可愛いなあ。……ねえ、僕のパーカー、そんなに好きなの?」
「う……うん……ごめんなさい」
チョロ松「素直でよろしい」
チョロ松くんは、わたしの胸元に、そっと舌を這わせ、優しい口づけを落としていく。
「ん…あっ……チョロ松くん……っ、」
チョロ松「なあに、さくらちゃん?」
「やっぱり…パーカーよりチョロ松くんのほうが……すごくいい香りするね……っ」
チョロ松「…っ、なにそれ。狙って言ってる?」