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【おそ松さんR18】君がため

第37章 青と、海と、涙と《カラ松END》




園芸用品売り場は、お店の外にあった。

ガーデニングに使う用品に混ざって、色とりどりの花が売られていた。


「…どれにしようかな」

カラ松「さくらは、何色が好きなんだ?」

「えっ…?」


何色……

わたしは、何色が好きなんだろう?

服やなんかは、無難な黒や茶色を選ぶことが多いけれど……でも、自分が好きな色なんて考えたことがなかった。


「わたしは……わからないや。だから、白い花にする」

カラ松「白か……じゃあ、これがいいんじゃないか」


カラ松くんは、すぐ傍にあった白い花を手に取った。


……スノーフレーク。

鈴蘭のような水仙のような、かわいらしい花。


「……かわいいね。初めて見た」


ふと見ると、花の横にあるプレートに、花の名前と一緒に、スノーフレークの花言葉が書かれていた。


『みんなを惹き付ける魅力』。


カラ松「まるで、さくらみたいだな…」

「みんなを惹き付ける魅力……」


そんな魅力がわたしにあるとは思えないけれど。

でも、カラ松くんがそう思ってわたしにこの花を選んでくれたのなら、この花にしよう。


「うん。これにする」


わたしは、カラ松くんが渡してくれたスノーフレークの花を大切に抱き寄せた。

カラ松くんは、この花を何に使うのか、とか、これを買ってどうするのか、とかは、何も訊かなかった。


「じゃあ、これがわたしの花なら、カラ松くんの花も買わないとね」

カラ松「…えっ、俺のも買うのか?」

「もちろん」


わたしは、スノーフレークの傍に置いてあった、青い忘れな草を手に取る。

お花を買いたいと言ったときに、真っ先に頭に浮かんだのが、この花だった。


カラ松「……わすれなぐさ?」

「うん。すてきなお花でしょ?」


わたしは、買い物かごにスノーフレークと忘れな草を入れて、カラ松くんの手を引いた。


もうすぐ夜が来る。



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