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【おそ松さんR18】君がため

第35章 壊れゆく《カラ松END》




わたしが、『カラ松くんだけが心から好きだ』と断言できないのは、それが原因でもあった。


信じてる……信じたい……

でも、心の奥底に生じた一抹の不安を拭うことはできなかった。


「ねえ、カラ松くん」

カラ松「…ん?」

「あのさ……カラ松くん、わたしに何か隠してることとか……ないよね?」

カラ松「え? 隠してること?」


わたしの問いに、カラ松くんは、きょとんとして首を傾げた。


裏表がなくて、素直で、誰にでも優しくて……そんなあなたが好き。

だから、それが偽りではないと、そう言って。お願い。


カラ松「どうしたんだ、さくら。突然そんなことを言い出して。俺がさくらに何か隠しごとをしているように見えるのか?」

「……ううん、そうじゃないけど。なんだか不安になったの」

カラ松「そうか……でも、さくらは、俺が今ここで、隠しごとなんてしていないよ、と言えば安心するのか?」

「……?」


おどろいて、カラ松くんの顔を見る。

すると、カラ松くんは、ふっと笑って、わたしの頭を撫でた。


カラ松「正直に言う。俺は、さくらにずっと黙っていたことがある」

「えっ……?」


突然の告白に、頭を鈍器で殴られたような衝撃が走る。

どういうこと…? ずっと黙っていたことって……なに?


「あの……カラ松くん、それって……」

カラ松「言葉で説明するよりも、実際に見せたほうが早いと思う。だから、いずれさくらにも見せてやるよ」

「……」

カラ松「でも、1つ約束してほしいんだ。それを見ても、俺から離れていかないでほしい。俺のことを、嫌いにならないでほしいんだ」

「……」

カラ松「約束……してくれるか?」


わたしは、何も言えなかった。


約束できるか? そんなの、何を見せられるのかも分からないのに、答えられるはずがない。

でも……

カラ松くんは、不安になっているわたしを思って、それを……本当の自分を、わたしに見せようとしている。


信じても……いいのかな?

ねえ、カラ松くん。


わたしは、カラ松くんの瞳をじっと見据えた。


「……わかった」


ひとこと、短い答えが、自然と唇からこぼれた。



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