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【おそ松さんR18】君がため

第35章 壊れゆく《カラ松END》




……カラ松くんとホテルに来るのは、もう何度目だろう。

わたしが一松くんと付き合っていると知ってから、カラ松くんは、前以上に身体を求めてくるようになった。

家ですることもあったけれど、カラ松くんは一松くんにバレるのを気にして、いつもホテルやカラオケボックスにわたしを連れて来た。


このままでいいなんて思っているわけではない。

けれども、わたしは、今この状況に、甘えすぎてしまったのだ。

このぬるま湯のような生活に。みんなから愛してもらえて、それを感じることのできる、この毎日に。


カラ松「なーに考えてるんだ?」


不意に、カラ松くんの指が、わたしの頬をつねった。


「いたっ…」


我に返ると、目の前にカラ松くんの顔があり、思わずドキッとする。


今、わたしたちは、ふたりでラブホテルのお風呂につかっていた。

お風呂場を暗くして、バスタブの水中照明をつけているので、バスルームの中は、色とりどりのきれいな明かりに包まれている。


「ご、ごめん……ちょっとぼーっとしてた」

カラ松「そうか… また何か悩みでもあるのか?」

「ううん、ちがうよ。ごめんね?」


わたしは、カラ松くんの手をにぎって、そっと指を絡めた。


カラ松「さくら……何かあったら遠慮なく言うんだぞ」

「うん、ありがと。やっぱりカラ松くんって優しいね」

カラ松「えっ……そ、そうか?」


わたしが素直に褒めると、カラ松くんは、顔を赤くしてわたしから目をそらした。





わたしは、カラ松くんを信じていた。

この人だけは、何があってもわたしを裏切らない。わたしに酷いことをしない、と。


けれども。


『言っとくけど、カラ松兄さんはさくらちゃんの味方なんてしてくれないよ?』

『さくらちゃんが、カラ松兄さんをどんな人間と思っているかは知らないけど、おれがこういうことしてるって兄さんに言っても、兄さんは何も解決してくれないよ』


『あとさ、あんたがカラ松のことどんな奴だと思ってるかは知らないけど、あんまり信じすぎないほうがいいよ…』

『僕のほうがさくらのこと幸せにできるのにな……』


十四松くんと一松くんに言われた意味深な言葉……

あの言葉たちが、何故か頭から離れないのだ。


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