第34章 青空と君の背中《カラ松END》
「わーっ! なにこの部屋! すごく広いしきれい〜!」
部屋につくと、さくらは、広くてきれいな部屋の中を見回して目を輝かせた。
……確かに、今まで使った部屋とは比べ物にならないくらい豪華だ。まるで、高級ホテルのスイートルームみたい。
「ねえ、一松くん! このベッドふかふかだよ〜」
さくらは、天蓋付きの大きなダブルベッドに身を投げて、きゃっきゃとはしゃいでいる。
僕は、そんなさくらに近づいていき……
ギシ…ッ
さくらに覆い被さった瞬間、ベッドが軋んだ。
手首をつかみ、その唇に深い口づけをする。
「んっ……ッふ、」
一松「……あんたさ、今からここで何するかわかってんの?」
「え……?」
一松「そんな子供みたいにはしゃいでさ……ここ、そういうことするためのベッドだって分かってる?」
「……っ、わ、わかってるよ」
さくらは、顔を真っ赤に染めて、顔をうつむけた。
一松「……ならいいけど。ほら、さっさとシャワー浴びてきて。休憩2時間しかいれないんだからさ」
「うん……わかった」
さくらは、僕の横をすり抜けて、シャワールームへ小走りで向かう。
僕は、そんなさくらを横目で見送り、ベッドの上にうつ伏せに倒れた。
枕に顔をうずめて、はあ、と溜め息をつく。
……さくら、早くシャワー終わらないかな。
もうシャワーなんて浴びさせないで、すぐに抱けばよかったかも。
そして、20分後。
シャワールームからは、未だにシャワーの水音がきこえてくる。
……ちょっと遅すぎない?
僕が痺れをきらしたそのとき、ようやくシャワーの音が止まり、部屋と脱衣所を隔てるガラス扉から、さくらの影が見えた。
さくらは、バスタオルを手に取り、身体を拭き始めた。
僕は、そっとベッドから起き上がり、脱衣所の扉を開けた。
そして……
一松「…ちょっと。遅いんだけど」
……背後から、さくらの細い身体を抱きしめた。
「…っ、い、一松くん?」
一松「一体何十分シャワー浴びてんの? 僕、もう我慢できない」
「あっ……ちょ、ちょっと……っ」
抱きしめたさくらのうなじに唇を落とし、舌を這わせる。