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【おそ松さんR18】君がため

第34章 青空と君の背中《カラ松END》




***


一松「ねえ、さくら…」

「ん? どうしたの、一松くん?」


さくらが、僕を振り向いて優しく笑う。

無邪気で、純粋で、人を疑うことを知らない無垢な笑顔。

僕たちにあんなに酷いことをされたのに……あんなに穢されたのに……さくらの笑顔は、真っ白なままだ。


「……寒い? もうお家に戻る?」


僕の無言を、さくらはそういう意味に取ったらしい。

……帰りたいわけないのに。

僕は、さくらとこうして一緒に散歩をして、どこまでも歩いていきたいのに。ずっと一緒にいたいのに。


一松「…ううん、そうじゃない」


僕は、繋いだ手にぎゅっと力を込めた。


離したくない… 離れたくない…

でも、僕は、さくらを脅してでもしないと、一緒にはいられないんだ。


だって、さくらが本当に想っている人は、僕じゃないから。


一松「ね……ホテル行こっか」

「……え? ホテル?」


さくらの顔が、一瞬ひきつった。


「こんな昼間から……?」

一松「そうだよ。だめ…?」

「だめじゃ……ない、けど……」


さくらは、優しい。

僕のお願いは、なんでも聞いてくれる。

こんなゴミクズにも、優しく接してくれる。


僕は、さくらの手を引いて、歩く速度を上げた。

そうして歩くこと十数分後。

ホテル街の入り口が見えてきた。


「一松くん……そんなに溜まってるの?」

一松「…べつに。でも、無性にさくらのこと抱きたくなった」

「……っ、そ、そう」


……あ。赤くなった。かわいい。



適当なホテルに入り、部屋を選ぶ。

昨日パチンコで勝ってお財布の中身が潤ってるから、けっこう高めの部屋を選んだ。




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