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【おそ松さんR18】君がため

第33章 誰よりも君が好き《トド松END》




走って、走って、家について、わたしはお手洗いに駆け込んだ。

内側から鍵をしめて、扉に背中をあずけてずるずると座り込む。


涙があふれてきて止まらない……

どうすればいいの……

いや、どうすることもできない。

わたしは、気付くのが遅すぎたんだ……


「トド松くん……」


名前を呼んで膝を抱えたそのときだった。


???「さくらちゃん?」


扉の向こうから、聞き慣れた声がした。


「えっ……トド松くん?」


それは、トド松くんの声だった。


どうして……?

なんでここにトド松くんがいるの?


トド松「ねえ、さくらちゃん。どうして泣いてるの?」

「…っ、ご、ごめんなさい……なんでもないの」

トド松「なんでもなくないよ。だって、今、僕の名前呼んだよね?」

「……っ」


うそ。聞かれてたの?

どう言い訳しようか迷っていると。


トド松「ねえ、ここ開けてよ。顔、見たい」


なんでそんなこと言うの?

期待しちゃうじゃん……


トド松「おそ松兄さんに聞いたよ。さくらちゃん、ここ1週間、ずっと元気なかったって。ずっと何かに悩んでたって」

「……」

トド松「……さくらちゃん、僕うぬぼれてもいいかな?」


耐えきれず、わたしは、扉を勢いよく開けた。

泣きはらしたひどい顔だけど、もうそんなこと関係なかった。


「トド松くん……っ」


わたしは、向かい合ったトド松くんに、言った。


「そうだよ。わたし、バカだから……こうなるまで自分で気付かなかったの。でも、今ならちゃんとわかる。わたし……


あなたのことが誰よりも好き」


告白なんてしたことがなくて、どう言えばいいか分からなかった。

だから、ありのままの想いをそのまま口にした。


その瞬間。


トド松くんの瞳から、ぽろぽろと涙が溢れ出した。


トド松「……僕……今なら死んでもいいや」

「えっ…?」


トド松くんの腕が、わたしを包み込む。

そして、そのまま、強く抱きしめられた。



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