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【おそ松さんR18】君がため

第33章 誰よりも君が好き《トド松END》




「…うん、ありがと」


おそ松くんの手から、ココアの缶を受け取る。

包み込むようにして缶をもつと、ココアの熱が手に伝わってきた。


「……あれ? おそ松くんは何飲むの?」

おそ松「あ、俺はこっち」


そう言って、おそ松くんは、煙草の箱をかかげた。

……ほんと好きね、煙草。


「肺、真っ黒になっちゃうよ」

おそ松「いーの。もうどうせ真っ黒だし」


そう言えば、おそ松くん、高校のころからヘビースモーカーだったもんね。

よく、おそ松くんが校舎裏で煙草を吸っているのを見かけていたし。


おそ松くんは、煙草を1本取り出すと、それを口にくわえて、ライターで火をつけた。

わたしも、買ってもらったココアの缶のプルトップを抜いた。

おそ松くんの煙草から煙が、わたしのココアから湯気が、空にむかって立ちのぼる。


おそ松「……ほんとはさ、少し心配だったんだよね」


不意に、おそ松くんがそんなことを言った。


「え……?」

おそ松「さくら、ここ1週間くらい、ずっと元気なかったからさー。なんか悩んでるのかなーって」


元気なかったこと、ばれてたんだ……

みんなの前では普通にしてたつもりなのに。


おそ松「……で?」

「で……?って、なにが?」

おそ松「さくらは何に悩んでんの?」

「そ、それは……」


この悩みをおそ松くんに相談するのは……何かちがう気がする。

だって、おそ松くんは、わたしが一松くんのことを好きだって思ってるし、それに、一松くんに幸せになってほしいって言ってた。

きっと、親身に相談になんて乗ってくれない。


と、そのときだった。


おそ松「……あり? あそこにいんのって……トド松じゃね?」


その名前に、思わずびくっと肩がはねた。

おそるおそるおそ松くんの視線の先を追う。

……と、公園の入り口に、トド松くんの姿を見つけた。


そして、トド松くんの隣には……

見知らない女の子がいた。



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